シンプルな着想が大胆なイノベーションを生む。
これはスゴイ。
2019年5月16日スペインで発表されたZenfone 6。
スマホってもう成熟して飽和状態。できることはやり尽くしたのだろうか?
そんな状況の中、HUAWEIがP30シリーズでカメラ性能の徹底したブラッシュアップに邁進していたところにASUSのシンプルな解がこれです。
フリップカメラ!パカパカッとカメラがくるっと向きを変える!これだけ。(笑)
たったこれだけなんだけどいろいろ可能性が一気に広がりました。
他のスマホとは一線を画す4つのメリットがあります。
その1 カメラの性能が上がる。
普段は他のスマホと何ら変わりなくデュアルカメラが収まっていますので写真を撮ることが出来ますが、ご覧の通り、顔認証やセルフィ―の際にはくるっと180度起き上がって向きを変えるんです。フロントに向いているときはフクロウの顔みたいでかわいい!まぁそれはいいとして…。
これまでのスマホは裏表両面にカメラをわざわざ配置していましたが、フリップ機構によって片側だけにカメラを配置するだけで済むようになったんです。つまりカメラのコストを一気に半減できるので性能の良いカメラを惜しみなく投入できる。
それで今回のカメラにはソニーが2018年7月23日に発表した業界最多の4,800画素イメージセンサーIMX586を搭載。このイメージセンサーはフラッグシップスマホ向けのセンサーですが、皮肉なことに2019年に登場したソニー製スマホXperia 1にも搭載していないセンサー。それがZenfone 6には搭載されています。
このセンサーはQuad Bayer配列というカラーフィルターを持ち、高感度と高解像度を両立しています。例えば、夜景のような低照度下では、画素サイズ1.6μm相当に高めて1200万画素にすることで、低ノイズで明るい写真や動画の撮影ができます。一方で日中の屋外での明るいシーンでは、有効4800万画素の高解像度画像になります。これは楽しみだ。
もう一つのカメラは1,300万画素の125度の広角カメラでワイドに撮影できるんです。そしてワイドで撮影すると樽状に湾曲する画像も補正するようになっています。
その2 フロントとバックのカメラが全く同じ性能
これまでスマホカメラの仕様についての説明を聞くと「それって背面カメラ?それともフロントカメラ?どっちのこと?」って考えますけど、フロント・バックどちらも同じ仕様というのはスッキリしますよね。
そして大抵のスマホはフロントのほうが性能が低いのですが、このカメラはセルフィーでも上記の通りIMX586のイメージセンサーを使えるという…これは贅沢!
ところでDxOMarkというカメラ性能を評価している機関のスコアがありますが、2019年に入って新たにSELFIEのスコアも導入されました。Zenfone 6のSELFIEスコアが98となり、この記事執筆時点では堂々No.1となります。
DxOMarkによるZenfone 6のカメラで撮影した写真はこちらの動画で見ることができます。
こういう動画を見ると、つい「自撮りの画質ばっかりだけど、背面カメラの性能はどうなんだろう?」って考えてしまうのですが、落ち着け、Zenfone 6はフロントもバックもカメラは同じ!
その3 動くカメラになる!
言わずにいられません。
こいつ…動くぞ…。
このフリップカメラ。単に閉じる・開くだけじゃないんです。0度~180度までの間で少しずつ動かして途中で止めることができるんです。これは考えましたね。
そうすることで自分の体やスマホを動かさずに180度パノラマ撮影ができたり、赤ちゃんのよちよち歩きをカメラが自動で追跡したり、岸壁に立って谷底から水平線までスムーズに撮影したりできるんです。カメラにもっと動いてもらいましょうよ。これぞスマートなフォンです。
その4 画面スッキリでフルスクリーン
フロントカメラは背面にありますのでこの通りノッチもなく画面の上まで隅々までスッキリ。ついにこの時代が来た!
yourfones.netで最近のスマホを並べて比較してみてもZenfone 6は飛びぬけて斬新です。幻となりつつあるHUAWEIのP30 lite、P30、P30 Proもyourfones.netでは置いてあります。(笑)このP30シリーズさえノッチはありますし、Pixel 3aシリーズは1万円台で買えるスマホと大差ないぐらいに上下黒帯がある。
完全なフルスクリーンはZenfone 6が初ではなく、以前から例えばOPPOのFind Xがフルスクリーンとしてありましたが高価でした。それに単にフロントカメラがスライドして隠れる状態になっているため、リアとフロントカメラは別々。Zenfone 6の構造の方がスマート。
Zenfone 6のサイズってどうなの?
上記の最新のスマホと比較してもZenfone 6は大きめだということがわかると思いますが、さらにyourfones.netを使ってZenfone6とiPhone XR、XS、XS Maxを比較してみたいと思います。
こんな感じでiPhone XS Maxとほぼ同じサイズで大判ですね。
となると気になるのは重さ。Zenfone 6とiPhone XR、XS、XS Maxの重さを比較してみましょう。
Zenfone 6は190グラムなのでiPhone XRの194グラムとほぼ同じ…。うーん。これは重いほうですね…。
ということでZenfone 6の唯一の欠点はiPhone XRと同じでデカい、重いということですね。ポケットに入れるとゴツゴツ感が出る重さです。
まあでも5,000mAhというバッテリーも搭載しているし、フリップカメラの剛性やモーターなども搭載しなければなりませんし、やむを得ないところではあるのですが…。
壊れないの?
フリップカメラの動作は10万回の動作テストを行っているようです。これは5年間セルフィー写真の撮影を毎日28回繰り返すことを想定…どんだけ自分好きやねん?ということで大丈夫らしい。
まあでもこういう動作って壊れる可能性はあると思った方がいいですよね。動きが渋くなるとか、完全に開かないとか…悩みは増えそう。
OPPOのFind X登場当時は壊れたらどうするのかなって考えました。Find Xは顔認証しかないので壊れたら顔認証ができなくなって不便な数値をタップして入力するPINでの認証になってしまいますけど、Zenfone 6は指紋認証もあるのでその不安も見事にクリア。
でもZenfone 6を買ったらおそらく顔認証はやめて指紋認証を使い、フリップカメラはカメラを使用する時だけ使おうかなと思っています。
まあ最初は面白くて顔認証するけどだんだんうっとおしくなって指紋認証になりそう。
価格や発売日は?
この記事執筆時点では例えばGearbestというサイトではメモリ6GB+ストレージ64GBモデルが15%オフということで600ドル程度で売っています。(海外で購入を勧めるわけではありません。技適取得しているかどうか、またバンドの違いとかありますのでご注意。)
それで価格は7万円前後?ちょっと高いですが、内容を考えれば安い?しかもOPPO Find Xが10万円以上なので相対的には安いですが、7万円以上するとAndroidスマホはなかなか買いにくいので6万円台には抑えて欲しいところですね。
発売日については前モデルのZenfone 5は2018年4月12日にグローバルで発表会が行われた後、日本では5月18日に発売されたので約1カ月程度かかりました。意外に国内展開が早かったと思います。
それでZenfone 6は2019年5月16日に発表されたので約1カ月後とすると6月下旬ぐらい??技適は既に4月18日に取得しているようなので想定通りリリースされてもいいのかもしれません。
最後に
ここ数年スマホはいろんなノッチの形状によるフルスクリーン実現との戦いでしたが、ASUSが決定的な完成形を示すことが出来たように思います。
同時にフロントもバックもカメラが同じなのは仕様としてシンプルでわかりやすいし、フリップカメラが動くという他にない魅力もある。
フリップ部分がさらに小型軽量化したり、一方向でなく多方向にぐりぐり動けばいいなとかHUAWEIとは別のアプローチでカメラの可能性が広がりました。
ASUSは2019年で創立30周年を迎えるという。この大きな節目にふさわしいスマホであり、混迷するスマホ界に風向きが変わりそうなスマホがついに登場しました。
それではまたっ!